• HOME
  • 光学式露点計 SK-DPHシリーズ 技術資料
光学式露点計 SK-DPHシリーズ 技術資料


Back

光学式露点計SK-DPHシリーズ 技術資料

露点とは? 用語の説明
露点がわかると何がわかるの? 露点と相対湿度
なぜ、露点計を必要とするのでしょうか? 動作原理
露点計はすべて信頼性が高い? 検出器(鏡面・測定気体導入口)について
光学式露点計の特長 管理項目(メンテナンス)
光学式露点計の使用上の注意



露点とは

加湿や除湿を行わないで気体を冷やしていくと、相対湿度は上がります。
そして、いずれ露を結びます。
私たちは、この現象を一般的に以下の事柄として経験しています。
(1)夏の暑い日、会社から帰宅するとビールを飲む人がいるでしょう。
・冷蔵庫から、ビール瓶を取り出すとビン表面に水滴が付きます。
(2)冬の朝、特に寒い地方では、部屋のガラス窓に露が付いて濡れています。
(1)は、ビール瓶に接する気体が冷やされ、ビンに接する部分の気体の湿度が上昇し、飽和点(相対湿度100%rh)を超えたため水滴(露)となって目に見えるようになった結果です。
(2)は、部屋の外の気温が低く、ガラス表面の温度が冷え、ガラスに接する部分の湿度が上昇し、飽和点(相対湿度100%rh)を超えたため、水滴(露)となって目に見えるようになった結果です。

上記(1)・(2)の説明文中に、飽和点という言葉が出てきました。
この飽和点、すなわち相対湿度100%rhが「露点」(Dew Point)です。
つまり、露が付き始める温度を露点と呼びます。露点の単位は「℃」です。
  TOP▲


露点がわかると何がわかるの?

湿度は「温度」や「圧力」などの組立量です。
その中で、その気体の露点と温度が分かれば、湿度を導くことができます。
また、気体に含まれる水分量を直接知りたいときにも「露点」を測定することが便利です。気体に含まれる水分量は「絶対湿度」で現すことも多いようです。
つまり、
・露点を知る=気体の水分量を知ることができる、相対湿度を知ることができるとなります。
  TOP▲


なぜ、露点計を必要とするのですか?

湿度(相対湿度)を知りたければ、一般の湿度計を使用すればよいと思われませんか?
しかし、以下の理由にて「露点計」が必要とされています。
(1)一般的に露点計は測定の信頼性が高いと評価されている。
湿度を「正確に測りたい」または「湿度標準器」が欲しいといった市場要求に対応することができます。
(2)湿度管理では不都合が生じる場合がある。
大規模な工場内ではエアーを設備動力源に利用していることが多いです。たとえば、産業ロボットや半導体工場などが挙げられます。産業ロボットの中にはエアーでアーム等を動かしているものが数多くあります。また、半導体工場でもウエハーの移動にエアーを用いています。ウエハー(ICチップの元で、シリコンを材質として円盤の形をしています)は機械的に移動すると傷が付くため、掃除機の原理で吸い上げて移動します。
さて、動力源に使用するエアーは、結露(水滴)が生じると、設備にダメージを与えるだけでなく、その製品に不具合が生じます。結露のためにエアーが設定している圧力で動作しなかったり、一瞬エアー圧が変化してウエハーを落としたりするためです。

対策として、エアーをできる限り乾燥させて使用すればよいのですが、必要以上にエアーを乾燥させるとランニングコスト(費用)がかかります。よって、製品品質とコストのバランスを考えて、エアーの水分量を監視・測定する必要があります。
監視・測定(管理)方法としては「配管温度」と「エアーの露点」を監視し、配管内での結露(水滴)が生じないように、エアーの露点を配管温度以下に保つことが重要になります。
(3)その他
露点測定が必要な要求として、以下のものもあります。
・湿度計で測定しにくい低湿(20%rh以下)を測定・監視したい。
・湿度計では極端に寿命が短くなる高温高湿を長期間安定して測定・監視したい。
  TOP▲


露点計はすべて信頼性が高い?

露点計と呼ばれる計測器は、「検出原理」によって信頼性は異なります。


露点計の検出原理

(1) 「光学式」
(2) 湿度センサによる湿度計測値を用いた「演算方式」
  (a): 「光学式」は、前述したビール瓶の露付き現象を目で見て「水滴が付いたと判断する」代わりに、結露状態を光で検出する方式です。
これを露点の測定原理に忠実な「一次原理測定」と呼ぶことがあります。
  (b): 「演算方式」は温度センサ及び湿度センサにより、温度と湿度(相対湿度)を測定し、演算により「露点」を求める方式です。
電子演算回路(マイコン)を用いて、温度と湿度から露点を計算させることが可能です。
このような演算方式を「二次原理測定」と呼びます。
  露点計SK-DPHシリーズはJIS Z8806「光学式」と呼ばれる測定原理を用いています。よって、測定値について信頼性が高いと言えます。追求する精度にもよりますが、露点計を「湿度の標準器」に用いる場合、検出原理によっては要求精度・信頼性を満足しない(電子式湿度センサなど)ことがあります。露点計と名が付いていても、湿度センサを用いた演算方式の露点計は、使用目的に応じた注意が必要です。
  TOP▲


光学式露点計の特長

(1) 光学式露点計は、湿度(手持ちの湿度計)の標準器となります。
露点計の検出原理は、「一次原理測定」であるため、測定の信頼性が高いためです。
測定原理が「物理現象」です。化学現象を利用する電子式湿度センサと比較して、経時変化が非常に小さいです。
(2) 温度センサは白金測温抵抗体です。センサの経年変化はほとんどありません。
(3) 露点計SK-DPHシリーズはJCSS校正証明書付きで販売します。改めてJCSS校正を行う必要が無く、国家標準とトレーサブルな校正サービスを供給します。
  TOP▲


光学式露点計の使用上の注意

(1) 露を実際に結ばせるため、応答速度が悪くなります。
(急激な湿度変化が起こる測定気体では光学式露点計の応答特性が追従しません)
(2) センサに測定気体を導く必要があります。
  サンプリング機器(ポンプ、流量計、チューブなどが必要)
電子式湿度センサは、測定雰囲気にセンサを挿入しますが、光学式露点計センサは、センサに測定雰囲気(気体)を導きます。
(3) ビール瓶の代わりである「鏡面(ミラー)」が汚れると、光学的に露点を検出できずに誤動作します。
(測定対象は「清浄な空気」です。不純物を含んだ気体を測定することはできません。また清浄気体であってもミラーを定期的に清掃することが必要です)
(4) センサ周囲温度より高い露点は測定できません。
(ミラーだけでなく配管やセンサ内部で自然に露が生じてしまうからです)
  TOP▲


用語説明

単語 説明
露量一定自動制御: 露量とは、検出器(センサ)内部の鏡面(ミラー)に付着する露の量です。この露の付着を肉眼では判別できない量で一定にコントロールすることを「露量一定自動制御」と言います。(肉眼で観察できる露の場合、「結露」となります)
ペルチェ電子冷却器: 「ペルチェ素子」とも呼ばれます。
2つの異なる材質の金属板に電流を流すと、一方の金属板からもう一方の金属板に熱が移動するという現象をペルチェ効果と言い、この現象を利用した冷却器をペルチェ電子冷却器と呼びます。
霜点(そうてん): 測定空気の湿度が低く、露点が0℃以下になる場合、水分が過冷却の水として付着する場合と氷の結晶として付着する場合があります。このとき、それぞれを「露点」「霜点」と呼んで区別しています。
霜点と過冷却の露点は、低露点になればなるほど温度が大幅に異なるため、露点と霜点を識別することが重要です。
  TOP▲


露点と相対湿度

露点から相対湿度を求める式は下記の通りになります。
飽和水蒸気圧表は、JIS Z8806「湿度−測定方法」に記載されています。
  TOP▲


動作原理

動作原理図
光学式といわれる測定原理は、鏡面冷却式と表現することもできます。検出器内蔵の鏡をペルチェ素子で冷却及び制御し、鏡面に接触する気体に対して、強制的に露を発生させます。LED光源からの光の反射を受光センサで捉え、鏡面上に「露」を結ぶと、受光量が変化することから、露点を計測します。

検出器は、LED光源から直接、受光するセンサ(PD1)と鏡面反射光を受光するセンサ(PD2)の2つを有しています。すなわち、反射光を常に基準光で補正しているため、経時的な光量減衰の影響を受けません。

露点を計測する重要なポイントとして、「露の量=露量」を一定にすることが挙げられます。肉眼により一目でわかるような露付きは、露点ではなく、結露になっています。SK−DPHシリーズは、ルーペなどで見て、露がわずかに確認できる程度の露の量に一定に保つ「露量一定自動制御」機能を有しています。

よって、露点とはミラーに露が完全に付着している状態(結露)ではありません。「露の付き始め」を肉眼で確認することは非常に難しいことです。
露点計は光の反射量を受光センサの出力で「露の付き始め」を判断しており、非常に正確に露点を計測することができます。
  TOP▲


センサ部(鏡面・測定気体導入口)について

SK−DPH−2D検出器
SK−DPH−2D検出器
センサ内部の鏡面の汚れは、測定精度に大きな影響を与えます。測定前に鏡面の汚れを清掃するようにしてください。清掃方法は、ミラー部を綿棒でていねいに一定方向に拭いてください。付着しているゴミがとれない場合、綿棒にエタノール(アルコール)などを綿棒にしみこませて拭いてください。鏡面上に付着した汚れ(ゴミ、付着物など)は、露の付き方に影響を与えるため、露点に誤差を生じます。

SK−DPH−5D検出器
SK−DPH−5D検出器
センサ内部の鏡面の汚れは、測定精度に大きな影響を与えます。測定前に鏡面の汚れを清掃するようにしてください。清掃方法は、ミラー部を綿棒でていねいに一定方向に拭いてください。付着しているゴミがとれない場合、綿棒にエタノール(アルコール)などを綿棒にしみこませて拭いてください。鏡面上に付着した汚れ(ゴミ、付着物など)は、露の付き方に影響を与えるため、露点に誤差を生じます。
  TOP▲


管理項目(メンテナンス)

露点計を使用するにあたっての管理項目(メンテナンス項目)は、下記の通りに
なります。

重要な管理項目
  (1) 鏡面(ミラー)部が清浄であること。
  (2) 測定気体サンプリング配管に「もれ」「汚れ」「水分の吸脱着特性」がないこと。
日常のメンテナンス項目
  (1) ミラー部(鏡面)を適時、清浄にしておくこと。
使用前にミラー部を清浄な綿棒で拭き、鏡面の汚れがないことを確認すること。
  (2) 測定対象気体に粉塵などの汚れがある場合、サンプリング配管にフィルタを装着すること、そしてフィルタのメンテナンスを行うこと。
  (3) サンプリング配管が汚れていないこと。汚れている配管は新品に交換すること。
  (4) サンプリング配管に水分が付着した、あるいは結露が発生した場合、サンプリング配管に乾燥空気(窒素ガスなど)を長時間流して、配管内部を十分に乾燥させるか、または配管を交換すること
正確な露点を得るために
  (1) 測定気体の導入配管材質はステンレス、テフロン系の配管材使用をお勧めします。鉄や銅などの配管材の使用は、錆びが発生することがあり、正確な露点測定を損ねる恐れがあります。また、コックや弁などにゴム系の物質を使用すると、材料への吸湿などにより、低露点測定時に誤差が大きくなることがあります。
  (2) 測定気体の流量は、取扱説明書に記載している流量範囲内であれば、測定する露点に影響ありません。気体の流量は、0.2〜1.0L/minです。しかし、厳密な露点測定を行う場合、校正値にわずかに影響を与えることがあります。
  (3) ゴミの多い測定気体の露点を測定したいときは、検出器に導入する気体について「吸湿性の無いフィルタを通して粉塵やオイルミスト等が入らない」ようにしてください。測定気体にフィルタ処理をせずに粉塵の多い気体を測定した場合、ミラー部がすぐに汚れて、正しい測定ができません。また、測定気体の成分によっては検出器を傷めてしまい、破損の原因となります。
  (4) 常温以上の高露点測定の時、検出器の温度を測定露点より5℃程度暖める必要があります。例えば、35℃の露点を持った気体を測定する場合、検出器全体の温度を40℃に上げることが必要です。
手順としては、
  • ヒータを検出器に巻き、検出器温度を40℃に上げてから測定を行う。
  • 導入気体の配管についても、同様に温度を40℃に上げることが必要です。これは測定気体の接触部分が常温になっていると、結露が発生して測定誤差が大きくなるためです。本来、得られる露点よりも低い露点が表示されます。
  TOP▲


Back
PAGE TOP